2年前の僕の失敗

メキシコに来て半年。そして、あれから2年以上が経ったので、崖っぷちカレーのことを振り返りたいと思います。

崖っぷちカレーのロゴ

当時のブログを読むと、あの日々の記憶が蘇って泣きたくなるし情けなくなる。悲しい思い出ではあるけど、あの日々の経験と出会いがあるから今の自分がいる、と思わせられる出来事でした。

もうこの件は中止しよう、と決断した日に書いたブログです。

僕には、小中を同じサッカーチームで過ごし、大学に入学してからも遊び倒していた友人がいました。
この話をギュッと凝縮すれば、その友人の借金を返すために、沢山の人を巻き込んで移動販売カレー屋を立ち上げようとして、結局その友人が蒸発してしまい、事業は宙ぶらりんのまま頓挫した、ってことです。

ツイッターで連絡した連続起業家の家入さんが自宅マンションのロビーに僕たちを招いてくれて。初めて会った日に崖っぷちカレーの事を話すと、出資と協力を快く引き受けてくれました。それから沢山の方々を紹介して下さり、アドバイスに乗ってもらう等しながら、僕の友人はカレーの味を追求し続ける、そんな日々を送っていました。仕事終わりに都内で人と会う事が増えた頃、僕は友人と共に渋谷へ引っ越してルームシェアを始めました。家賃は14万。渋谷駅まで徒歩7分の好立地で、一階には銭湯がついてるという不思議なマンションでした。
カレー屋のプロデュースを通して自分の人生で繋がるとは思っていなかった人たちに会えるようになって、僕自身のためにやっているわけでもないのに、自分にとっても刺激に満ちた日々を過ごしながら、カレー屋の立ち上げに向けて徐々に準備を繰り返していきました。自分の儲けなんて頭になくて、けどもう必死になって睡眠時間を削りに削った日々。

200名の方たちが日本全国から集まってくれた。

200名の方たちが日本全国から集まってくれた。

 

崖っぷちカレーのオープンを目前に控えた頃、僕の友人は部屋から出てこなくなりました。精神的な病の重度が増したから。いつ家に帰っても部屋は真っ暗で物音がしない。部屋をノックして声をかけても、「ごめんしんどい」という言葉しか返ってこない状態の中、必死にカレー屋の成功と友人が音楽に打ち込めるようになって笑う姿をイメージしながら準備を進めました。

どれだけ時間が経っても部屋から中々出ることのなくなった彼に、病院に行くことを勧めても首を横に振るばかり。そんな日々を繰り返してると、家に帰って玄関のドアを開くのが怖くなった。もし、もしリビンクであいつが首を吊って死んでたら。トイレのドアの向こうで死んでいたら、と考えるとトイレのドアを開くのも怖い。本当、この感情だけは二度と味わいたくない。疲れた体で帰宅しても、精神は休まることない毎日。僕も頭がおかしくなるんじゃないかと思いながら、朝が来ればシャワーを浴びてスーツを羽織って会社に行く。思い出したくない、形容しがたい毎日。

それでも準備を進めた結果、移動販売用の車の購入の目処がつき、友人のためにつくる会社の立ち上げ準備も整い、カレーをつくるキッチンを見つけた頃。会社から自宅に帰るとリビングの机に一枚の紙切れがあって。それを読んだ後、ノックをせず彼の部屋を開くと部屋は完全な抜け殻となっていました。一ヶ月の間、彼の帰宅を待ちましたが、ある事件を通して僕はこの件を終わりにすることにしました。

最後のブログを書いた夜、家のすぐ側にある小さな公園で一人途方に暮れていると、今でも本当にお世話になってて尊敬してるある人が、ビートたけし監督の映画「キッズリターン」の最後のシーンを送ってくれて、それを見て涙が止まらなくなったのを昨日のことのように覚えています。

https://youtu.be/RIVdcf2Gq1Y

その後、元 会社の同期の家に行って、飯食わせてもらったのは一生忘れらんない。その夜電話かけてくれた全ての人に恩を感じてます。¥

この件を振り返ってみると、「こうすれば良かったのに」と思うことは沢山あります。彼を救えなかった自分の弱さも力不足も痛感します。誰かに手を差し伸べる、ということに対して、僕は本当の優しさの形や何をすべきなのか、今でも正直分かりません。身近な友達が泣いて、苦しんでいる時に僕は何も出来なかった。解決しようとして動いた結果、更に彼を追い込んでしまった。だったら距離を置いて見て見ぬふりをすれば良かったのかというと、そうではない気がする。

 

本当に病んで、苦しんでる人の救い方は正直今でも皆目検討つかない。この答えを探そうと思ってるわけではないけれど、生きて行く上でこれからも色んな人と出会いながら、色んなことを経験して、見つかればいいなと思っています。

この経験で学んだことは、僕が「誰かのために」誰かを巻き込んで何かを実現することは当分、いや一生しないと思う。

自分の責任で、自分のやりたいことに打ち込む。その想いやイメージに共感してくれて、面白いと思って集まった人間の中から、とびきり素敵な仲間と一緒に全速力で戦いたい。わかってます。本当自分勝手な人生です。もう既に何人もの人生を自分の夢に巻き込んでしまいました。だけど、僕はその仲間たちを絶対に裏切らないし、家族のように接したいと常々思ってる。仲間が苦しんだり悲しんだりしていたら、身を投げ出して力になりたいと心から思う。それが正解なのかはいまだに分からないけど。

話を戻しますが。僕はあのカレー屋の日々のこととか、貸したり費やした金や時間のこととかはもうどうでも良いので、今どこかで彼が笑って生きていてくれればいいなと心から思います。欲張ったことを言うと、何年後か、何十年か経った後、あの日のことをビール飲みながら彼と笑って話せる日がくればいいなと願っています。

時間が解決してくれないものは無いんだと、僕はそう勝手に信じているので。

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西側 赳史

西側 赳史

持ち味はモロッコの輪投げ屋生活で身につけた度胸と、本場ラテン仕込みのサルサ。株式会社Encounter JapanのCEOです。
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